こんにちは♪
吹チャン!オレンジレンジャー サニーです。
このコーナーでは吹田での暮らしが丸10年経ったオレンジレンジャーが、もっと知りたい吹田の歴史や文化に触れるべく、月に一度、歴史的建造物や文化施設に訪れ紹介していきます♫
今回は、建物が国の重要文化財(平成21年12月)に、庭園が国の登録記念物(平成25年8月)に指定された【旧西尾家住宅】へ行ってきましたよ。
現在工事中のため吹田市公式HPより引用
吹田で暮らしはじめて間もない頃、「⇐旧西尾家住宅」と書かれた案内標識を見かけてずっと気になっていたんです!
あらためて、【重要文化財】とは
日本に所在する建造物、美術工芸品、考古資料、歴史資料等の有形文化財のうち、歴史上・芸術上の価値の高いもの、または学術的に価値の高いものとして文化財保護法に基づき日本国政府(文部科学大臣)が指定した文化財を指します。
【登録記念物(名勝地関係)】とは、
日本の文化財保護法に基づき、文部科学大臣によって登録された、保存及び活用のための措置が特に必要とされる記念物。
※神戸市の相楽園が第一号として2006年に登録。他にも近江八景などがあります。
今回は阪急吹田駅から徒歩で向かいました。
5歳の子どもと一緒でしたが、15分もかからず到着しました。(googlemap上は徒歩約9分でした)
まず、阪急吹田駅の南出口(西側)を出て、大きな道路(大阪内環状線)沿いを南に進みます。吹田簡裁前の交差点を左へ曲がります。業務スーパーが目印です。
左曲がり道なりに進むと、以前「吹チャン!」でもご紹介した、「うさぎ菓子店」さんがあります♡
【「うさぎ菓子店」の可愛すぎるパフェ❤︎】全て手作り!色々なスイーツがギュギュッと詰まってます!@内本町
「うさぎ菓子店」さんを過ぎると、案内標識がありました。
標識を越えてすぐの路地を右に曲がります。
緑が生い茂っている場所が一見庭園のように見えるのですが、こちらは「亘家住宅主屋(わたりけじゅうたくしゅおく)」という、有形文化財です。
「よく間違われるんですよ」と後からお聞きしました。
右に曲がったあと道なりに進むと、塀が見えてきました!!
途中、娘の背丈ほどの小さな扉がありました。
「これは何だろう?」
「玄関かな~?」
「昔はここからも出たり入ったりしたのかな?」
そんな想像をふくらませながら目的地へ進みます☆
さらに塀沿いを進みます。
到着!!
観覧は事前予約制となっています。
※現在、主屋などの大規模保存工事実施中のため、範囲を大幅に縮小し公開されています。
貴重な建造物が吹田にあることは、とても誇りに思いますし、観覧ができるように開放されているのはうれしいですね!
ボランティアガイドさんが迎えてくださいました!
「吹チャン!見たことありますよ♫」とお話しいただきうれしい〜♡
それではよろしくお願いします!
パンフレットを頂いて観覧スタートです♪
パンフレットには、「西尾家は江戸時代、吹田村の仙洞御料(せんとうごりょう)の庄屋をつとめました。」との記載がありました。
私は歴史に疎くわからなかったので調べてみると、「仙洞御料」とは、天皇を譲位した上皇の所領地のこと。西尾家はその「仙洞御料」を管理していました。
旧西尾家住宅の全貌がこちら!
とっても大きな敷地ですね!
何と面積は1400坪!
※パンフレットより
表門から入り、正面にあるのが主屋(しゅおく)といい、居住棟・玄関棟・計量部屋棟の3棟で構成されています。
建築年代は明治28年(1895)。今から129年前の建造物です!!
老朽化に加え、近年起きた自然災害の影響のため、令和2年から補修工事が行われています。
では、離れの方へ進みます。
離れの西棟は家族が過ごす場所、東棟は客室として作られ、棟と棟の間の通路には、舟底のような形をした舟底天井(ふなぞこてんじょう)という珍しい天井が用いられています。
西棟は和風、東棟は当時最新の洋風で、全体としてみると和洋折衷のデザインを取り入れた建物となっています。
こちらを手掛けたのは、「関西建築界の父」と呼ばれる著名建築家の武田五一(たけだごいち 1872年~1938年)。
京都大学建築学科設立、京都大学の時計台を設計など、数多くの作品を残されている方です。
天井にはベニヤ板が使われており、当時では珍しかったそうですよ。
さらに庭園を進みます。
主屋に保管されていた、いろいろな物が所せましと並んでいました。
娘が通う園では、梅干しを漬けているので、「これで梅干しを作っていたのかなぁ。」と興味津々な様子です♪
庭園の木々に癒されながら進むと、次の施設に到着。
四腰掛(よつこしかけ)という、待合室のようなもの。
どの腰掛に座っても、他の座っている人と正面から顔を合わすことなく、庭園の景色を楽しめるように卍形に腰掛が配置されています。京都の桂離宮の卍亭の写しともいわれているそうです。
こちらの天井は番傘天井と言われるもの。
美しいなぁと思わず見惚れます。
庭園には全部で25基の石灯籠が設置されており、広隆寺や平等院の灯籠を模した物もあるんですって。
鳥が上に乗っているデザインや、模様に干支が施されている物もあり、ちびレンジャーも一緒に見て楽しんでいましたよ。
こちらは積翠庵(せきすいあん)という名の茶室です。
明治26年建築。現在京都にある藪内家の代表的茶室「燕庵」「雲脚」を模倣したもの。勝手に真似たのではなく、薮内家の皆伝を授かった者にのみ建てることができる造りだそうです。
先へ進むと、ここはもしかして!!
来るときに見た小さな扉!
こちらの扉について、昔は塀の外が水路で、この扉は田舟が出入りしていたのでは、という説があるそうです。
現在の様子からは想像もつきませんが、旧西尾家住宅が佇む内本町2丁目は、かつて「都呂須町」という名で、これは船着場を意味する地名だった、と考えられています。この名とともに以下の資料を見ると納得!!
※わかりやすい吹田の歴史より引用
NHK朝ドラ「らんまん」の主人公のモデルになった植物学者「牧野富太郎」。吹田とも縁があり、この「吹田慈姑(すいたくわい)」の命名をしたそうです。
敷地内には温室跡もあり、こちらも牧野富太郎指導の元に造られたといわれています。
地下で石炭を焚いて、ボイラーを沸かして温室にしていたそうですよ。
何を栽培していたのかお聞きしたところ、「食虫植物という説もある」とのこと。
いろいろと調べてみると、メロンを栽培されていたというお話もありました。
戦争の時に、温室のガラスが光に反射して敵の標的になるということから、ガラスは全て撤去されたそうです。
著名人が関わる旧西尾家住宅、お話しを聞いていると目に見えない所にもこだわりを感じ、夢とロマンがいっぱいですね!
「雨の日も趣があって良いんですよ」とお聞きしたので、また伺ってみたいなと思います。
ご案内いただきありがとうございました。
娘は「庭園にある飛び石が楽しかった!」とのことでした♡
ボランティアガイドさんがぜひご覧になってくださいねと仰られていたこちらもおすすめです♪♪♪
吹田市動画配信チャンネル 【旧西尾家住宅の現在(いま)と未来】
令和2年から始まった補修工事はしばらく続きます。
全て完成するのは7~8年後とのことでした。
主屋の基礎をジャッキアップして作業されています。
2週間かけて1m35cm上げるんだそうですよ。
今年の猛暑は特に大変だっただろうなぁと思いました。
復元するために、柱など一つ一つに番号等が記載されています。
工事の様子も動画で視聴できます。
吹ちゅ~ぶ 【#22旧西尾家の保存修理工事に潜入】
昨年の10月には、修理工事現場見学会が開催され、瓦等をおろした主屋の屋根など、なかなか見ることのできない旧西尾家住宅の姿を観覧できました。
工事関係者による解説とともに間近で観覧し、小中学生を対象とした回では、カンナ削り体験や、カンナ屑を使ったポンポン作りなども実施されたそうです。
「また開催するかもしれません」と仰られていたので、市報・HP要チェックです!
国の重要文化財である旧西尾家住宅を次世代に引き継いでいくため、基金が設立されました。
旧西尾家住宅大規模修繕基金への寄附募集中次回の【吹田の文化に触れられる施設】もお楽しみに~☆彡
〇過去の【吹田の文化に触れられる施設】記事はこちら
【吹田の文化に触れられる施設】
〇過去のオレンジレンジャー月イチ記事はこちら
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